その日から、友達が出来ました

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勉強しか私には取り柄が無かった。教科書やノートと向き合っていれば、必要なことはすぐに頭に入る。
人と付き合うより、その方が楽だった。流行のオシャレとか、歌とか、興味が無いわけじゃ無かったけど。
(私がそんなのに興味あるとか、どうせ笑われる)
そんなものより、勉強に集中している方が、ずっと楽だった。

「眼鏡、無い方が似合うと思うよ」
「え?」
ある日突然、クラスの女の子にそう言われた。クラスの中でも一、二を争うほど可愛らしい女の子。
「髪の毛も!もっとアレンジしてみない?良い美容室知ってるんだ」
「あ、の、困るんだけど」
「あ!ごめんね!!」
その日はそれだけ言ってすぐにいなくなったけど、彼女はそれから毎日私に声を掛けてくるようになった。
「どうして?」
ある日そう尋ねたら、彼女は間髪入れずに答えた。
「前から仲良くしたくって!」
何の脈絡も、確証もないそんな言葉に、思わず私は吹き出した。
青春
公開:20/11/04 09:40

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