兼業殺し屋

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普段は指圧師として働いている私は、実は殺し屋でもある。
殺し屋と言えば高給取りのイメージがあるだろう。残念。あれはごく一部に限った話だ。私のような普通の殺し屋は殺し屋一本では食っていけない。
だから私は定職に就いた。殺し屋なんて不安定な仕事よりよっぽど健全である。
未だ専業殺し屋を夢見る友人は先日バイト先で店長補佐に出世した。
両親からも「もうそろそろ…殺し屋を兼業にしてはどうだ?」と言われたらしい。
友人は「30になるまではこの世界で頑張らせてくれ」と言って、あと2年の猶予を貰っていた。
そんな友人を私は密かに応援している。

そんな私に久しぶりに仕事が入った。腕が鳴る。
私はゴキリ…と指を鳴らすとターゲットの背後に忍び寄り、その後頭部を撃ち抜いた。
泣き虫で有名なターゲットは母の葬儀で涙を押し殺し、声を震わせながらもしっかりと役目を果たしていた。
畜生…私の方が涙を押し殺せていないぜ…
公開:20/11/05 18:48

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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