柴子のコンチキたぬき噺

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「どうしたタヌ公、シケたツラして」
「あ、お狐様…いやもう腹が減っちまって」
「そいつぁいけねえ。これ食いな」
白狐は気前よく酒と稲荷寿司を勧めた。
「あの、ご主神様は…」
「主神?ウカノミタマ様かい?今日は朝から出かけたぜ。だからゆっくりしていきねえな」
「お狐様はようござんすね。ちゃんと仕事もあるし、お供物のご相伴にも与れて」
「よせやい。まあ困ったらまた寄りな」

数日後、狸は何とか算段して蕎麦を拵えた。せめて具の一つでもと天ぷら屋の裏口から忍びこみ、天かすを一掴み失敬して蕎麦の上に散らすと、件の稲荷社へ急ぐ。
ウカノミタマ様の前に出た狸は、お供物を頂いた礼を述べ、徐に蕎麦を差し出した。
ちょうど腹が減っていた神様は大喜び。ぺろりと平らげて言った。
「大層美味なり。以後たぬき蕎麦と称し、きつねうどんと共に広く愛されるべし」

たぬき蕎麦由縁のお噺でありました。
とっぴんぱらりのふう
その他
公開:20/11/03 00:02
更新:20/11/14 19:15
勝手に『たぬき祭り』開催 笑 gonsukeさん →たぬぽんさん →射谷友里さん →秋田 たぬき蕎麦の定義 関東=蕎麦に天かす 関西=蕎麦に油あげ だそうですが、ホントかな(笑) #95

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
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【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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