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何百万年にもわたって人類を養ってきた地球は、最近、不思議に思う。

人の足音が聞こえなくなってきたのだ。

まだ地上に人が少なかった時代も、足音はずっしりと地球の中心まで響いていた。狩りに駆け巡り、土を踏みしめながら野菜、果物、米を育てる。

そんな人の息吹が、足音から伝わってきた。

車に電車、飛行機が進化を遂げるにつれ、足音は少なくなってはいた。が、ここに来ての減り方は著しい。足腰が弱っている。車いすや杖に頼る人も増えた。そもそも例のウイルスが蔓延する前から、家の中に引きこもる若者はあふれている。新鮮な空気の美味しさに気づかないまま。

人口は膨張の一途をたどっているのに。

一歩一歩から力が伝わってこない。息吹が感じられない。

果たして、やりがいを抱きながら、充実感を覚えながら、人は生きることができているのだろうか。

人類の将来を、地球は案じている。
その他
公開:20/11/04 08:42

ふみなか( 東京 )

40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。

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