秘薬

23
12

ここは国立秘密研究室。公にできない実験が密かに行われている。
今日は死刑制度の新しいスタイルについてだ。
博士いわく
「死刑制度は人命を奪うという点で悪だ。海外では凶悪犯だった男が事故で記憶喪失になったことにより、以後の人生で犯罪を全くしなくなったというケースが報告されている。そこで私は人の記憶を消す薬を開発した。この薬を被ればたちまち記憶がまっさらになる。猫と猿で実験をしたら成功した。では早速」
博士は実験台の上で縛られこちらを睨んでいる死刑囚の男に向かって瓶を傾けた。
僕は嫌な予感がよぎり博士を止めようとした。
「博士!待っ…」
パシャリ
「ん?」
博士はもう空になった瓶を持ってこちらを見る。
「オ、オギャー」
悪い予感が的中した
先ほどまで目に憎悪をたたえていた男は実験台の上に転がって赤子のようにわんわん喚いている。
暴れるわおもらしはするわもう散々。
「やっぱり死刑制度のほうが…」
公開:20/11/03 22:17
更新:20/11/03 22:19

かさ( 愛媛 )

来年以降のいきかたが決まりましたヽ(=´▽`=)ノ

コメント読んだりお返事したりするのはとても好きなので、気楽にコメントいただけると嬉しいです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容