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女が走る
全てを投げ捨て
雪道を
月明かりだけを頼りに
走る
はしる

そのうちに
履き物は飛び
着物は1枚になり
それさえ脱げ
髪も抜ける

はしる
はしる

ああ、わたしには何もない
わたしはわたしだ


やっと立ち止まり

息を荒げて
きた道を振り返る

後ろに黒く
転々とした道筋
辿って自分の下を見ると
真っ赤な血溜まりができていた
その他
公開:20/11/01 20:33
更新:20/11/02 01:34

kashiku

ショートショートや、詩を思いつき次第のっけます。



noteもやってます

https://note.com/machi_kashiku

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