ほくろつなぎ

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「今日ね。クラスの皆んなでほくろを繋いだんだ」
4歳の明子が嬉しそうに報告してくれた。
「ほくろとほくろをね、繋ぐの」
明子は私の肘のほくろから鼻の横のほくろまで指を這わせた。
「それでお星様を作るんだよ」
そして自分の手の甲のほくろへと繋いだ。
「大きなお星様!」
変な遊びが流行ってるんだな、微笑ましく感じた。

明子は絵を描きながら説明した。
大きな丸を二重に描く。
「それでね、真ん中に明ちゃんが座るの」

その中に三角を二つ、互い違いに重ねる。
「だってね、明ちゃん悪い子だから」

え?娘の言葉に耳を疑った。

「先生がね。悪い子はおほくろ様に治してもらいましょうって」

背筋に悪寒が走る。
二重丸に六芒星、これってまさか。

「そしたらほくろに吸い込まれてね、おほくろ様に会ったの」

娘は笑いながら顔をあげた。
その目はほくろの様に真っ黒だった。

「明ちゃん良い子になったでしょ」
ホラー
公開:20/11/02 21:58
ほくろ 魔法陣

小川さら

口下手で面白い事が言えません。
だから書いてみます。

忌憚のないご意見をお待ちしております。
 

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