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これまで6度結婚しながら、毎度妻に出ていかれる始末でした。領内の不動産の管理に忙しく、十分構ってやれなかったせいでしょうか。そんな私の身の上に同情し、添ってくれたのが今の妻です。うちは旧家でふだん使用していない部屋もございます。ある時、しばらく留守にすることになり、妻に鍵束を渡し、小さな鍵の部屋にだけは絶対に入るなと言いつけて出かけた次第です。
帰宅して妻から受け取った鍵は赤く染まっていました。ああ、やっぱり。今度こそと思ったのに、彼女も言いつけを守れなかったのか。女の愚かさに私は打ちのめされました。かくなる上はやらなければなりません。
―斧を放して、あなた。この館は包囲されています。
新妻の声は澄んでいた。
ー天井四隅に仕掛けられた超小型カメラで監視されているの。法に従っていただきます。
髭ごと青ざめる男。小型カメラに向かって、Vサインをする女。
(お姉さま、やっとご無念を晴らしたわ)
帰宅して妻から受け取った鍵は赤く染まっていました。ああ、やっぱり。今度こそと思ったのに、彼女も言いつけを守れなかったのか。女の愚かさに私は打ちのめされました。かくなる上はやらなければなりません。
―斧を放して、あなた。この館は包囲されています。
新妻の声は澄んでいた。
ー天井四隅に仕掛けられた超小型カメラで監視されているの。法に従っていただきます。
髭ごと青ざめる男。小型カメラに向かって、Vサインをする女。
(お姉さま、やっとご無念を晴らしたわ)
その他
公開:20/11/02 21:00
更新:20/11/02 20:29
更新:20/11/02 20:29
#青髭
#ペロー原作
#復讐
#124
ssの庭に迷い込んだこぶみかん。数々のお話の面白さに魅せられ、通い始めた。
気が付いたら、庭の片隅に挿し穂されていた。
いつか実を結ぶまでじっくり育つといいね。
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