一目惚れ

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 君は言った。

「一目惚れしました」

 そんな君に、一目惚れした。

 肩まで伸びたミディアムの黒髪に、紺のセーラー服を着た女の子だった。学校帰りに駅のホームで話しかけられ、告白をされたのだ。

 実はこれが人生初の告白になる。もちろんそのこともあるのかもしれないが、何より告白をする勇気と、顔を真っ赤に染めて頭を下げる姿に心を奪われたのだ。僕の返事は言うまでもない。

 あれから二ヶ月。久しぶりに会ってお洒落なカフェへ入った。席に着くと、彼女はカプチーノ、僕はカッコをつけてブラックを頼んだ。

 学校での出来事。習い事はしているか。好きな音楽は何か。頼んだものを待つ間、相手のことをもっとよく知ろうと話が弾む。やがて定員さんが来て互いの目の前にカップが置かれると、話に区切りがつく。

 お互いカップに手にかけて、もう片方でマスクに手をかける。

 さあ、初めて見せる素顔。僕達の今後は……
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公開:20/11/02 19:35
400字 コロナ

十六夜

こんにちは 「いざよい」です。
ただただ好きで小説を読んだり書いたりしている高校生です! 
お気に入り、コメントを頂き感謝です(⋆ᵕᴗᵕ⋆)"

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