クローゼットは死ぬ場所ではありません。

クローゼットは死ぬ場所ではありません。
本来は、お気に入りの洋服やバッグが詰まった夢のある場所です。
どうか間違った使い方をしないでください。子供たちが誤解します。大人たちがひどく動揺します。両親や恋人や友人が立ち直れないくらい深く傷つきます。
何度も何度も声を大にして言いますが、クローゼットは死ぬ場所ではありません。
だいたい、死ぬ期限は自分で定めるものではありません。神様が病気を与えて定めたとしても、僅かな希望にすがって死に逆らう人間だっているんです。私の父がそうでした。キングオブガンの膵臓癌で余命半年を宣告されても、モルヒネで幻覚をみて暴れても、死ぬ数日前まで全身の痛みを我慢しながら電車に乗って会社に向かったんです。残された家族のために。
だから死ぬほどつらくってもロープだけは結ばないでください。あなたの命はあなたのものだけじゃありません。