溶けるとり

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生物達も顕著に進化している。日本に溶ける鳥がいるという。
研究員はそれを求めて、東の国へ向かった。日本の研究員と合流すると、詳細が分かった。
夏場に外側から柔らかくなり、鳥の全てが、液体に溶けて分散する。
そして秋になると再び固まる。渡り鳥のように、夏場と冬場で遠くへ飛んで、寒暑を忍ばなくていいとのこと。
また近年、世界で鳥の伝染病が流行っており、関係あるか調査中とのこと。
日本の研究員は、伝染病で有限な生物の数が減ることに影響して、何かの鳥の遺伝子が突然変異をしたのではないかと思っている。
「どこからの電話ですか?」
日本の研究員に問いかけると、意外な答えが返ってきた。
「溶ける鳥がまちがってタイに飛んで行ってしまったそうです」
加えて興味深そうに話す。
「状態はというと、死んではいないがそこに存在するだけのものとなっているそうです」
溶ける鳥の末路を知った気がして、恐ろしくなった。
その他
公開:20/11/02 15:52
更新:20/12/06 16:51

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