毒舌ロボカフェ

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街中で働くロボを見てほしい。接客用が多く口調は丁寧だろう。
「街は平和だし便利だしつまんない」と誰かが不満を言い、「じゃあ」と誰かが拡散された声を拾った。常識をぶち破る新しいアイデアはいつだって反時代性から生まれる。
そして某メーカーから『毒舌ロボ』なる物が生産された。ただ、ずっと街中に置いても家庭に置いても、人間のストレスが溜まるだけだろう。そこでメイドカフェならぬ『毒舌ロボカフェ』を試験的に開く運びになった。
店舗開発も進み、開発チームの私はテスト入店した。
「オイルクサイヤツガキタゾ!」
「オイルコーヒーデモダシトケ」
「オマエ、R-52ミタイナカオシテルナ!」ロボ店員達から抑揚のない無機質な笑いが漏れる。
「そんなこと言わないで。私はあなたが好きよ」
「デ、デブセンカヨ!モウ!」ロボは手で抑えた顔を横に振り恥ずかしがるポーズを見せた。
順調だ。ロボのツンデレは斬新だしウケるだろう。
その他
公開:20/10/31 22:46
400字

文豪たこ( 神奈川 )

「30秒後に意外な結末」がテーマの140字ショートショーティスト。

面白ければそれでよし、と思って書く日々。

2020.7.15『影ができるスプレー』を初投稿。以降、約半年で150作品を執筆。

◎2020.11.15『ハロウィンの怪人』急上昇ランキング2位
◎12.05『星を見つけた』急上昇ランキング1位
◎12.19『無視される日本語』急上昇ランキング3位
◎12.25『高給な副業』急上昇ランキング3位
◎2021.2.6『ひねくれもの』急上昇ランキング2位

皆様からの「面白かった」が聞ければ、それ以上の喜びはありません。

Twitterでも活動中!
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