緑の糸

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 生まれ変わりだと思った。

 ガラス越しにぬいぐるみを取り合う二匹の犬と、その二匹をまたかとばかりにクッションの上でうつ伏せになって見守る一匹の犬。二ヶ月前に飼っていた犬も、この大人しい子と同じチワワだった。名前はイヴ。

 目の上にちょこんとのった白眉。鼻が短くて幼く見える顔。白、黒、茶の三色が入ったロングの毛。どこか澄ましていて、大人しい猫みたいな性格。だけど嫌なことがあった日には、甘えるようにお尻をくっつけ、慰めるように頬を舐めてくれた。

 ああ、思い出したら涙が出てしまった。

 すると突然、涙をぴとっと舐められた気がした。一瞬イヴかと思い驚いて横を見ると、あの大人しいチワワだった。どれだけ食い気味に見てしまっていたのだろう、定員さんが抱っこをして連れてきてくれたのだ。

 まさかその犬がイヴの従姉妹だったなんて、値段も見ずに絶対幸せにしようと決めたあの時は思ってもみなかった。
その他
公開:20/10/31 23:08

十六夜

こんにちは 「いざよい」です。
ただただ好きで小説を読んだり書いたりしている高校生です! 
お気に入り、コメントを頂き感謝です(⋆ᵕᴗᵕ⋆)"

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