狸村お引越し

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山奥の村には狸一族が住んでいた。周りは荒地ばかりで食べ物も残り少なくなり、皆で先の心配を話し合っていた。すると昔信楽に出稼ぎに行った仲間のことを思い出し、村長狸が信楽に彼のその後を調べに行った。
探し捲りやっとの事で消息を掴んだ。
彼は信楽狸に化け店頭に並んでいた時、米国人が気に入り購入して帰国した。その話を基に米国人に連絡したところ、帰国後自分のビルの玄関に信楽狸を飾ると会社は増々発展し大成功したとの事。

感謝した米国人は信楽狸を独立させ、狸は貿易商人になり今では総合商社の社長になっていた。
早速村長狸は彼に連絡を取り狸村が、今飢餓状態であることを説明し助けを求めた。すると彼からは村民全員を信楽狸に化けさせて米国に移住させたいと言ってきたので、全員山奥の村をでた。

彼は輸入元の立場で化けた信楽狸を無事に入国させた。
彼らは今は生き生きと米国で働きながら自由な生活を喜んでいる。
ファンタジー
公開:20/10/31 07:18

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