幽体の生まれる所 その生と死

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抗血小板剤のお陰で、僕の血はサラサラと小川のように流れている。
心臓も息をしているのだ。

幽体が心臓の中で生まれて窓ガラスを通り抜けて行く。しかし太陽と重力と月の光のため、幽体は結晶化して落下する。

飛び降りないでおくれ、僕の幽体。

透明な20枚の床を通して、粉々に砕けた結晶幽体を見るともなく見ていると、美しく凍った感情に支配され、とても危うい。

宇宙の中心に心臓があるならば、彼も幽体を持つのだろうか。飛び降りる場所も無くただ漂うだけなのだろうか。

しかし窓から見えるのは、天には真っ青な空。
暗いビルに刻まれた地平には薄明の日々。

そこに白く輝く三日月がいる。
湾曲した剣のように、今将に沈まんとする太陽に斬りかかる、三日月がそこにいる。
ファンタジー
公開:20/10/30 22:06

わんにゃん( 大阪・京都 たまに東京 )

人生3度目の小説への挑戦です。最初は中高生の時でした。

R2.8.29 初めての利用から数日ですが、コメントされる喜びとコメントする楽しさが分ってきました。こじんまりとしたSNSみたいでいい雰囲気ですね。

フォロー返しは必ずします。コメント返しもします。

【入院】10.29(木)から心臓冠動脈バイパス術で入院します。術日は11.2(月です。
【手術】成功しました。皆様からの応援の賜物と厚く感謝申し上げます。心臓ICUから通信許可出ましたv
【退院】11.14(土)退院。応援有難うございます。ご心配おかけしました。
【他サイト】エブリスタhttps://estar.jp/users/581438913

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