ミッドナイト号事件

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動物界では、空前の高原リゾートブームとなっている。
山羊放牧株式会社が高原行きに走らせていた観光列車メーメートレインは、連日満車で大盛況になっていたが、夜中に走行する寝台特急ミッドナイト号の脱線が相次いだ。
ミッドナイト号の運転手に事情を聴いたところ、眼光鋭いこげ茶の列車が猛烈なスピードで煽り運転をしてきて、車両が峠のヘアピンカーブを曲がり切れず脱線したという。
山羊放牧株式会社は、犬鉄道警察隊に被害を届けたところ、ドッグパトロールトレインを走らせ、再発防止を強化することになった。
捜査の結果、犯人は、暴力団である狼組のオオカミ暴走トレインと判明したが、なかなか足取りを掴むことができず腐心していた。
そこで、犬鉄道警察隊のブルドッグ隊長は、懇意にしている人間界の猟友会に協力を仰ぎ、狼組の幹部を捕獲することに成功した。
ようやく事件は解決し、ミッドナイト号は安全第一で乗客を高原へ運んでいる。
ミステリー・推理
公開:20/08/28 19:51
高原 山羊 放牧 ミッドナイト 鉄道警察隊 暴力団 ブルドッグ 猟友会

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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