二宮金次郎の超人への道

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二宮金次郎は、今日も薪を抱えて歩く。
その手には本を携え、熱心に読みふけりながら歩いている。
銅像で目にする、あの光景だ。

毎日毎日、来る日も来る日も同じことをしている。
この勤勉な姿は、たちまち町中の評判になった。

「がんばれよ~!」
「しっかり働けよ~」
「いっぱい勉強しろよ~!」
沿道から声援を送られるまでになった。

「金次郎く~ん!」
気がつけば女の子の黄色い声援まで飛んでいる。

「薪を担いで勉強するだけでモテるんだ」
真面目な金次郎がついに何かに目覚めた。

貧乏くさい農家の作業着姿をやめてTシャツにデニムのさわやかないでたちにイメチェン。髪も茶髪にした。

ますます女性ファンが沿道を囲む。

するとファンの間では、プレゼントとして薪を持参して金次郎の背中に積み上げることがブームになった。

かくして金次郎はアイドルと薪の販売ビジネスで頂点を極めた!
青春
公開:20/08/28 14:05
更新:20/08/28 14:07

岡本たかし

歴史ものに特化した小説を書いています。
よろしくお願いします!

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