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「生まれ変わったら蛍になりたいね」
君は来世でも生を儚むのか、と呆れた。
──どうせ飛び込むなら、もっと澄んだ河にすればよかったのに。


夜の護岸に少年が一人。
「昔はひどく濁っていた。いまじゃ見違えるほどだろう?」
そう語った祖父は、自慢げだった。
今日、少年は蛍を見に来た。
公開:20/08/28 13:55

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