5
4
ある女性からの愛を求めて、男は悪魔との契約を決めた。
「彼女からの愛が欲しい。頼む…」
悪魔は薄ら笑いながら「報酬は?」と尋ねた。
「全財産をくれてやるっ」
悪魔は少考し、「ま、良いでしょう」と頷いた。
「彼女が次にあなたの姿を目にした時、彼女はあなたへの愛に目覚めるでしょう」
男は歓喜した。
逢瀬の時が迫り、男は、彼女の元へと走った。
しかし、男が女の前へ姿を見せることは叶わなかった。
突然、男の体から皮膚が消え、内臓と眼球が消えた。男はヨロヨロと倒れ、彼方に待つ女を想った。
悪魔は「あなたの体も"財産"と計算するのを忘れていました。すみません」と謝罪した。
男は、肺の無い声帯を震わせた。『騙したなっ』
悪魔は苦笑いした。
「いえ…騙したのはどちらですか?
……彼女もまた、あなたを愛していた、ということです」
皮膚も眼球も消えた顔を、男は、絶望に歪めた……。
「彼女からの愛が欲しい。頼む…」
悪魔は薄ら笑いながら「報酬は?」と尋ねた。
「全財産をくれてやるっ」
悪魔は少考し、「ま、良いでしょう」と頷いた。
「彼女が次にあなたの姿を目にした時、彼女はあなたへの愛に目覚めるでしょう」
男は歓喜した。
逢瀬の時が迫り、男は、彼女の元へと走った。
しかし、男が女の前へ姿を見せることは叶わなかった。
突然、男の体から皮膚が消え、内臓と眼球が消えた。男はヨロヨロと倒れ、彼方に待つ女を想った。
悪魔は「あなたの体も"財産"と計算するのを忘れていました。すみません」と謝罪した。
男は、肺の無い声帯を震わせた。『騙したなっ』
悪魔は苦笑いした。
「いえ…騙したのはどちらですか?
……彼女もまた、あなたを愛していた、ということです」
皮膚も眼球も消えた顔を、男は、絶望に歪めた……。
ホラー
公開:20/08/29 00:56
更新:20/08/29 11:30
更新:20/08/29 11:30
よくあるベタな話
イラついて気が変わる悪魔
ショートショート好き。
得意ジャンルはホラー。
座右の銘は『清く正しくいやらしく』。
好きな書籍は『悪魔の辞典』と『悪魔の寓話』。
制限400字という発想に感銘。
コメントとフォローはできるだけ返します。
楽天ブログにて『株式会社SEES』の名でショートショートと短編小説掲載中。
https://plaza.rakuten.co.jp/gomishi14/
よろしければ、ぜひ。そして、たまに呟きます。
https://twitter.com/IiSees
さて、今日はどんな事件が起きることやら……。
ログインするとコメントを投稿できます