脱・競技者生活

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 競技者生活が辛くなった。好きで始めた筈なのに、競い合うのは空しい。
 サポーターに回ろうか。まだマイナーなこの種目の普及活動に参加しようか。それも違う。参加者に楽しんでほしい気持ち、自分を高めたい気持ち。

 ジャッジだ。参加者が勝っても負けても納得できるジャッジになろう。野球でもサッカーでも相撲でも、良いジャッジは注目され一目おかれるじゃないか。派手な動作で話題になるのもいい。最高のサポートだ。

 決めてからは早かった。講習会に参加し、判定基準を叩き込み、判定眼も養った。動作も磨き上げた。他の種目のジャッジとも交流し、良い点はすべて取り入れた。この種目のジャッジの第一人者に、いや、全てのスポーツの中で一目置かれるジャッジに、なってやる!

 今日はジャッジとしての晴れ舞台だ。参加者もたくさんいる。アナウンスが会場に響く。

「これより、『ジャッジング』競技、無差別級を開始します」
公開:20/08/27 20:47

techtech

のんびり書いていこうと思います。
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