給食のおじちゃん

ぼくの小学校では、たった一人のおじちゃんが給食を作っている。
ぼくらは、おじちゃんが作る給食の大雑把な味が好きで、中でもぼくは、第二金曜日に出るカレーが大好きだ。
家のカレーと何が違うんだろう。
訊いてみたいけど、おじちゃんはいつも一人で給食を食べている。
給食はみんなで食べた方が美味しいのに。
そこで、ぼくらはおじちゃんをクラスに招待し、一緒に給食を食べた。
おじちゃんは、カレーの隠し味や、餃子の皮を早く包む方法など、いろいろ教えてくれて楽しかった。
その日から、毎日おじちゃんが来てくれたのだけど、あるときから、他クラスもおじちゃんを招待したいと言いだした。
そこで先生たちが話し合い、おじちゃんは各クラスを順番に回るというルールができた。
ぼくのクラスにおじちゃんが来てくれるのは、第二金曜日だけになった。
それから、ぼくにとっての第二金曜日は、カレーの日であり、おじちゃんの日にもなった。