河童不動産ー鬼の目玉を打つ
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河童不動産に鬼が来た。
「これは大山の鬼さま。額の目玉に何やら数字が」
大山の鬼が唸ってポトリと目玉を取る。
「あれま、これは人間がやるゲートボールの玉では」
「爺婆が木の下で乾かしていた目玉を、ゲートボールの玉と取り違えたんだ」
「あのお、なぜ、目玉を乾かす事態に?」
河童がおずおずと聞く。
「花粉症でな、目が痒くて仕方がなくて湧き水で洗って少し乾かしていたんだ」
鬼は肩を落として嘆いた。
「自分の失態だから、自分で取りに行こうとしたんだが、爺婆は目が悪い。俺の目だと気づかずにあっちこっち木の棒で打つものだから、目が回ってうまく歩けないのだ」
身体中に傷や痣が出来ている。
「急ぎ、変身の得意な者に行かせましょう」
狐と狸が競うように人間に化けて行ったが一向に帰ってこない。河童が様子を見に行くと狐と狸が爺婆に筋が良いねと煽てられ、鬼の目玉を打っていた。
「これは大山の鬼さま。額の目玉に何やら数字が」
大山の鬼が唸ってポトリと目玉を取る。
「あれま、これは人間がやるゲートボールの玉では」
「爺婆が木の下で乾かしていた目玉を、ゲートボールの玉と取り違えたんだ」
「あのお、なぜ、目玉を乾かす事態に?」
河童がおずおずと聞く。
「花粉症でな、目が痒くて仕方がなくて湧き水で洗って少し乾かしていたんだ」
鬼は肩を落として嘆いた。
「自分の失態だから、自分で取りに行こうとしたんだが、爺婆は目が悪い。俺の目だと気づかずにあっちこっち木の棒で打つものだから、目が回ってうまく歩けないのだ」
身体中に傷や痣が出来ている。
「急ぎ、変身の得意な者に行かせましょう」
狐と狸が競うように人間に化けて行ったが一向に帰ってこない。河童が様子を見に行くと狐と狸が爺婆に筋が良いねと煽てられ、鬼の目玉を打っていた。
その他
公開:20/08/26 10:19
更新:20/09/14 23:47
更新:20/09/14 23:47
河童不動産シリーズ
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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