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毎晩、駄菓子屋さんで煙草を買う。
オレンジの照明。
全盛期の雰囲気に寄せました。そう説明したくなるような令和に作られた玩具。
懐かしい、というよりよくわからない駄菓子。
何かの漫画で見たっけ。その程度。
お菓子なんかに興味ないので、反対側の煙草のショーケースを眺める。
何故かここには珍しい煙草や葉巻が並ぶ。

『お、今日も来たね。昨日のはどうだった?』
『やー…メロン味は何か違ったねー』
『そうか。スイカ味とか、どう?』
なぜ同じようなものを勧めるのか。
この店主ときたら、タトゥーやピアスだらけの私に珍しいものを吸わせたくて仕方ないらしい。
『今日は桃にしてみるよ』
『明日はスイカね、スイカ』
『わかったわかった。また明日ね』

懐かしいと人々がいう駄菓子屋。
駄菓子より煙草収集する店主と駄菓子に興味のないイカつい女。
そんな2人の日常だ。
公開:20/08/26 00:57

雨森れに( 東京 )

色合いの綺麗な物語を紡ぎたい。
シーンごと切り取られた刹那。
不思議、恋愛、ファンタジー、怪談、純猥談などをチラホラと。
中身はお酒が好きなアグレッシブ。

Twitter: https://twitter.com/rainy02forest
note: https://note.com/tettio02
Radiotalk: https://radiotalk.jp/program/61359

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