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最終下校時間が近づくと、どこからかピアノの音が聞こえる。
それが東校舎4階の音楽室からであり、犯人がK君だということも私は熟知している。
ある日生徒会が終わって廊下を急ぐと、伴奏が聞こえたので、部屋を覗いたらそこには彼がいた。彼は短い髪を精一杯揺らしながら、人が変わったように指先を躍らせていた。そんな姿に、不覚にも心を射抜かれてしまった。だから犯人というわけ。
秋の合唱コンで、彼を伴奏者に推薦しよう。私は指揮者に立候補なんかして、彼の有志を一番近くで見るの。でも、あの音色を私だけの秘密にもしたい…
それから生徒会終わりには、私は独演会のリピーターになっている。階段のへりに座って。
同じ時刻、青年はピンマイクに指令を出した。
「さあ、次は例の曲だぞ」
別室の友人がPCを手際よく操作すると、青年の襟に隠れた小型スピーカーから合唱コンのメロディが流れ出した。
「いいぞ、何もかも手順通りだ」
それが東校舎4階の音楽室からであり、犯人がK君だということも私は熟知している。
ある日生徒会が終わって廊下を急ぐと、伴奏が聞こえたので、部屋を覗いたらそこには彼がいた。彼は短い髪を精一杯揺らしながら、人が変わったように指先を躍らせていた。そんな姿に、不覚にも心を射抜かれてしまった。だから犯人というわけ。
秋の合唱コンで、彼を伴奏者に推薦しよう。私は指揮者に立候補なんかして、彼の有志を一番近くで見るの。でも、あの音色を私だけの秘密にもしたい…
それから生徒会終わりには、私は独演会のリピーターになっている。階段のへりに座って。
同じ時刻、青年はピンマイクに指令を出した。
「さあ、次は例の曲だぞ」
別室の友人がPCを手際よく操作すると、青年の襟に隠れた小型スピーカーから合唱コンのメロディが流れ出した。
「いいぞ、何もかも手順通りだ」
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公開:20/09/09 18:00
更新:20/09/04 20:45
更新:20/09/04 20:45
まのじゅん/間野 純
神戸市在住の26歳
執筆は2020年春ごろから
お立ち寄りいただきありがとうございます
ふらりと交流できれば幸いです
▼NOVEL DAYS
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・J-WAVE SPARK×NOVELDAYS ほっこりショートコンテスト第1弾「モノのつぶやき」
「子に捧ぐ祈り」
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