パイオツ ハ ピース

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「おっぱいを触らせてくれないか?」
言葉より先に手が出た。メガネが放物線を描く。

それでも校庭のけやきから覗く夜空の星々が美しく見えたのは、地球滅亡の所為ではなく、
多分、頬を腫らすこの生徒会長の所為なのだろう。

地球滅亡を前に、難民キャンプと化した学校を類稀な指揮能力で統率する横顔は英雄のようだ。

「ケルアック、いい趣味をしている。」
校庭の木陰で友達もいない本ばかりの私を見つけてくれた。そんな会長をずっと見ていた。それが、よりによって…

「滅亡する前に触りたかったんだ…。」
残念そうに眼鏡を拾う会長がどこか小さく見える。

「手なら…」

私は会長に手を差し出す。

「繋いであげてもいいですよ。」

ゴツゴツとした手が指に触れて、やはり、星が綺麗だった。

「今夜は月が綺麗だ。」

立ち止まり見上げると、眼鏡を光らせ、会長が言う。

胸の奥に何かが優しく触れた気がした。
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公開:20/08/26 18:21
更新:20/08/26 18:34
滅亡短編 タイトルごめんなさい というか色々ごめんなさい 下らないの書きたくて

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

新シリーズ「人喰い病院」はじまりました。

荷物
破顔
秘密
長老
抗争
皇帝
報道

マイペースに描いていきたいです!

SSG1周年!

Twitterアカウント(告知&問い合わせ)
https://twitter.com/Karatsu_a

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