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漂海民族出身のFWタイクは、十分以上潜水ができる。彼を止めようとした『島人』のMFは、観客に気を取られて目測を誤り、水槽のガラスに激突した。マンボウ規則によってMFは退場、タイクにフリーキックが与えられた。
ルーキーのDF、広樹のインカムに客席で指揮を執る監督から指示が入る。
「ロッキー、練習通りにタイクを止めろ」
タイクと広樹たちの間を灰色のジンベイザメがゆっくり泳ぐ。その間に島人の守備陣はゴールの前に並んで壁となった。
ブザーが鳴った。タイクは壁に隙間を見つける。そこには、黄色の縞模様のチンアナゴ達が顔を出していた。その少し上を目がけて、ボールを蹴り込む。チンアナゴは巣穴へと戻る。ボールが巣穴を通過した時、突然、海底が爆発するように砂塵が舞い上がり、ボールは止まった。
それは、砂に潜っていた広樹だった。
「チンアナゴディフェンスだ!」
観客は叫び、チンアナゴも顔を出した。
ルーキーのDF、広樹のインカムに客席で指揮を執る監督から指示が入る。
「ロッキー、練習通りにタイクを止めろ」
タイクと広樹たちの間を灰色のジンベイザメがゆっくり泳ぐ。その間に島人の守備陣はゴールの前に並んで壁となった。
ブザーが鳴った。タイクは壁に隙間を見つける。そこには、黄色の縞模様のチンアナゴ達が顔を出していた。その少し上を目がけて、ボールを蹴り込む。チンアナゴは巣穴へと戻る。ボールが巣穴を通過した時、突然、海底が爆発するように砂塵が舞い上がり、ボールは止まった。
それは、砂に潜っていた広樹だった。
「チンアナゴディフェンスだ!」
観客は叫び、チンアナゴも顔を出した。
青春
公開:20/08/24 21:34
更新:20/08/25 23:22
更新:20/08/25 23:22
はじめまして。田丸先生の講座をきっかけに小説を書き始めました。最近は、やや長めの小説を書くことが多かったのですが、『渋谷ショートショート大賞』をきっかけにこちらに登録させていただきました。
飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットです。
宜しくお願い致します
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