飲みの市

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昼の瀟洒な雰囲気から一転、夜になるとお祭りのような騒がしさが町を包む。
吸血国家・モスキー都。ここは吸血鬼の国だ。
通りすがりのバーテンダーが私と夫にブラッドオレンジのカクテルを手渡す。息子には牛乳を用意してくれた。
血の滴るレアステーキに舌鼓を打てば、瑞々しいサラダも味わう。バランスの良い食生活が美と健康の秘訣だ。
食事を楽しむ私達。息子は吸血キッズと遊ぶ方を選んだ。空を飛ぼうとぴょんぴょん跳ねる姿はまるで蚤のよう。
そんな息子の手を取り、ふわりと空に飛ぶは八重歯がチャームポイントの少女。
色白の美しい少女に息子はすっかりのぼせ上っている。血ではなく骨を抜かれたようだ。
恋の始まりに息を飲む。やっぱり血は争えないわね。
幼なじみで吸血鬼の夫は人間の私に「僕の吸血姫になってくれ」と子供の時にプロポーズしてくれた。今の私は吸血鬼婦人だ。
息子も市の熱に飲まれ、夫と同じ文言を少女に告げていた。
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公開:20/08/24 18:45
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