探しソーメン

花火の合図で俺は飛行機から降下した。
24時間耐久探しソーメンの始まりだ。
競技場の素麺島北端のめんつゆ氷河を目指す選手が多い中、俺は南端の胡麻砂漠に着地した。つけだれを精製し、北へ向かう。途中、薬味箱も入手した。
涼し気な素麺の滝に到着。滝裏から長箸を操り、俺は最初の素麺を食べた。色付き素麺は加点対象だ。
次に上流の素麺渓谷へ。島内最大量の素麺が流れるが、速すぎて箸にも棒にもかからない。岩陰の素麺を確実に食べ、ランキングを上げる。
夜は焚火でチャンプルー加点を稼ぎ、翌日、逆転を狙い素麺大渦に挑んだ。
この海域には黄金素麺が生息していた。が、渦に呑まれて、箸と心が折られる。
一か八か、俺は手持ちの胡麻をすれるだけすった。途端、海の機嫌が良くなった。その隙に黄金素麺をザルで捕まえ浮上し、食べ終えると同時に花火が鳴った。
結果は大逆転優勝！
来年は王者だ。新たな素麺者よ、束になって啜ってこい！