樹海公園で咽ぶ
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「本当だったんだ。樹海の公園にくたびれたおっさんと年齢不詳の美人がいるって」
来るなり失礼な発言をする男を美咲は鼻で嗤った。
「初対面におっさんって言ったら普通怒るよ、僕は鈴木だ。こちらは美咲くん」
「この男が来なかったか」
写真を鈴木の鼻先に突きつける。
「見たことないね。まさか指名手配犯だったりして」
「そんなようなものだ」
男は登山に行くような重装備をしていた。
「ここは何らかの死の臭いをさせてる人が運良く辿り着ける場所なんだけど、あんたからもするな。すごく強い」
美咲が顔をしかめた。
「あんたの後ろにデカイ男が沢山引っ付いてるんだけど、恨まれてるね」
「あ?」
男が後ろを向いた瞬間、身体に無数の手が伸びてきた。
「あんたの方が殺人犯か」
「ははは、こりゃ壮観だ」
男は喉に腕を突っ込まれて叫び声はおろか、一言も話せなくなった。カラスが漆黒の闇から目を光らせている。
来るなり失礼な発言をする男を美咲は鼻で嗤った。
「初対面におっさんって言ったら普通怒るよ、僕は鈴木だ。こちらは美咲くん」
「この男が来なかったか」
写真を鈴木の鼻先に突きつける。
「見たことないね。まさか指名手配犯だったりして」
「そんなようなものだ」
男は登山に行くような重装備をしていた。
「ここは何らかの死の臭いをさせてる人が運良く辿り着ける場所なんだけど、あんたからもするな。すごく強い」
美咲が顔をしかめた。
「あんたの後ろにデカイ男が沢山引っ付いてるんだけど、恨まれてるね」
「あ?」
男が後ろを向いた瞬間、身体に無数の手が伸びてきた。
「あんたの方が殺人犯か」
「ははは、こりゃ壮観だ」
男は喉に腕を突っ込まれて叫び声はおろか、一言も話せなくなった。カラスが漆黒の闇から目を光らせている。
ホラー
公開:20/08/25 19:26
樹海公園シリーズ
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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