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地球滅亡前夜。サッカー部の部室に赤いラベルの炭酸飲料の瓶が4本ある。瓶は白く薄曇って汗をかき、冷えているのが見てわかる。キーパーの田中、DFの今井、俺と補欠の前園。賑やかだった部室も今や4人だけだ。
「キャプテン、本当に飲むんだよな?」
俺がゆっくり頷くと、空気が一層重くなる。
「消滅コーク」は滅亡が公表されてから流行した、飲めば体が炭酸の泡みたいに消滅する非合法のドリンクだ。
「みんな、覚悟はいいか?」
持つ手が痺れる様に冷たい。震えはそのせいだろう。
皆、一気に流し込んだ。
炭酸が回想を呼び起こす。
俺たちの夏、最後の試合。俺のシュートは弾かれ、そこからのカウンターは早かった。今井が叫んでいる。田中の手をすり抜け、ネットをボールが揺らす。ベンチで前園が肩を落とす。
俺達の世界はこの夏、あの試合でとっくに終わっていた。
炭酸が強かったのか涙がでた。
しかし、それを笑う者はもういない。
「キャプテン、本当に飲むんだよな?」
俺がゆっくり頷くと、空気が一層重くなる。
「消滅コーク」は滅亡が公表されてから流行した、飲めば体が炭酸の泡みたいに消滅する非合法のドリンクだ。
「みんな、覚悟はいいか?」
持つ手が痺れる様に冷たい。震えはそのせいだろう。
皆、一気に流し込んだ。
炭酸が回想を呼び起こす。
俺たちの夏、最後の試合。俺のシュートは弾かれ、そこからのカウンターは早かった。今井が叫んでいる。田中の手をすり抜け、ネットをボールが揺らす。ベンチで前園が肩を落とす。
俺達の世界はこの夏、あの試合でとっくに終わっていた。
炭酸が強かったのか涙がでた。
しかし、それを笑う者はもういない。
青春
公開:20/08/23 19:20
更新:20/08/24 09:45
更新:20/08/24 09:45
滅亡短編
空津 歩です。
ずいぶんお留守にしてました。
ひさびさに描いていきたいです!
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