珈琲インク

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「お姉ちゃん。私、彼氏できた」
妹の告白に私は驚愕した。
『あっ…相手は誰?そいつ大丈夫?あんた騙されていない?』
妹は読書好きな大人しい子。そういった子を食い物にする輩もいる。可愛い妹に何かあってはいけないと詰め寄った。
「お…幼馴染の健ちゃんだよ。告白だって、私からしたんだから」
相手にホッとすると同時にさらなる衝撃に襲われた。内気な妹が告白?マジで?
「告白って言っても、珈琲インクを使ってラブレター渡しただけなんだけどね」
健は昔から珈琲片手に本を読むのが好きだ。
「思いが苦くなりすぎないように牛乳インクも足してみたんだ」
さすが妹。気の利く性格は将来いいお嫁さんになるぞ。
「お姉ちゃんはどう?いい人見つかりそう?」
その言葉に顔をしかめる。
『珈琲インク使ってアタックしたんだけど…彼、紅茶派だったんだ』
「それなら土台を紅茶葉書にしてみたら?私、色々な茶葉に檸檬インクも持ってるよ」
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公開:20/08/23 19:09
本のお供は珈琲or紅茶 手紙も読み物の一つ

幸運な野良猫

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元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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