虹とかたつむり

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雨が止んだ。家まであと少し。ふとみると道の真ん中を何かがのろのろ動いている。かたつむりだ。ヌルヌルで気持ち悪っ!しばらく歩くと目の前に大きな虹が出た。なぜか私は小走りで今来た道を引き返していた。ひかれて死ぬよ!私はかたつむりの甲羅をひょいと掴んで道路わきの茂みに投げた。
家につくと弟が小瓶をかかえて泣いている。飼っていたかたつむりが逃亡してしまったと。弟を慰めつつも私は家にかたつむりがいなくなって安堵していた。
翌日、弟に大声で起こされた。「見て!」と言うので小瓶を覗くと中には小さな虹。それはかたつむりのうんこだった。「かたつむりって食べ物の色でうんこの色がかわるんだって。で、色々食べさせてみたんだ。だからこれ、ぼくのかたつむりのだよ。うんこしに戻ってきたんだね!不思議だね!」
不思議だね。そう言いながら私は笑いがこみあげてきた。昨日みつけたかたつむりは、弟のかたつむりだったのかな。
その他
公開:20/08/24 04:43

マーモット( 長野県 )

初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
 

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