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祖母が亡くなった知らせを受けて、僕は数年ぶりに田舎に帰ってきた。降ってくる蝉の声。青く澄んだ高い空。目の前に青々とした山が見える。汗がとめどなく流れ落ちた。
祖母が大切にしていた向日葵畑は相変わらず見事だ。大輪の花を開きまっすぐに太陽を見つめている。
向日葵を見ていたら、真っ赤なワンピースを着た女の子が僕の所にトコトコとやってきた。
「ひまわり、きれいだね」
少女は僕の目を見つめた。どこかで見た目だった。
「そうだね」
少女は嬉しそうに笑った。
「純一」
少女は教えてもいない僕の名を呼んだ。
「婆ちゃんが寂しい思いよるからかねえ、時々、子供の姿の尚美を向日葵畑で見るんよ」
祖母は前にそう言っていた。入院中、母は向日葵畑に行きたがっていた。
気づくと目の前に、祖母と、赤いワンピースの小さな母が手を繋いで立っていた。ふたりはにっこり笑って手を振ると、青空に溶けて消えた。
祖母が大切にしていた向日葵畑は相変わらず見事だ。大輪の花を開きまっすぐに太陽を見つめている。
向日葵を見ていたら、真っ赤なワンピースを着た女の子が僕の所にトコトコとやってきた。
「ひまわり、きれいだね」
少女は僕の目を見つめた。どこかで見た目だった。
「そうだね」
少女は嬉しそうに笑った。
「純一」
少女は教えてもいない僕の名を呼んだ。
「婆ちゃんが寂しい思いよるからかねえ、時々、子供の姿の尚美を向日葵畑で見るんよ」
祖母は前にそう言っていた。入院中、母は向日葵畑に行きたがっていた。
気づくと目の前に、祖母と、赤いワンピースの小さな母が手を繋いで立っていた。ふたりはにっこり笑って手を振ると、青空に溶けて消えた。
その他
公開:20/08/23 19:51
更新:20/08/25 09:21
更新:20/08/25 09:21
みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
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