最終列車

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残業しても仕事が終わらづ、後10分で終電が出てしまう。
残りは家でするかと書類を鞄に入れ、急ぎ事務所の消灯と戸締りの確認を済ませ、会社を出て一気にダッシュした。
ビル周りの歩道は煌々と灯りは点いるが人影は殆ど無く、すでに数台のタクシーが客待ちをしている。でも今ならまだ終電に間に合う。
慌てたせいか、何と不覚にも駅の階段を踏み外してしまった。
その時最終列車がホームに滑り込んで来る音が聞こえたが、強く打ったせいで痛くて立ち上がれない。そして車掌の非情な笛の音と共に、列車がホームから離れて行くのは分かった。

少し痛みも和らぎ、さっき見かけたタクシーで帰ろうとすると、突然空から列車が現れ、私の横に停り車掌が窓から乗れ乗れと合図している。

地獄で仏とはこの事かと喜び乗車し、疲れていたせいかそのまま眠り込んでしまった。
気がつけば何と我が家の玄関前におり、遠くの空に消えていく列車の灯りが見えた。
ファンタジー
公開:20/08/23 19:25

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