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「そんな隅っこで落ち込まないでよ、書く練習しているとでも思ってさ」
大学に在籍していた頃からいくつかの文学賞に受賞経験がある里美がポテトチップスをバリバリ食べながら言う。
「色々やって自分に合う方法を見つけるしかないって」
コンソメ味の指で辞典や教科書がわりの小説でドミノ倒しをしている。
「やってみた一つ目がたまたま、私にはまっただけだって。やってみる?」
鞄から出したのは大量の短冊状の紙と折り紙で作った箱。
「子供の頃に遊んだことない?〈いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように〉したか。子供の頃はもっと短かったけど」
里美が書いてきたものを入れてシャッフルする。
「発表ね! えーと、(いつ)鈴虫の夜、 (どこで)祭りが終わった川沿いで、(だれが)ポテチの指の君の、(なにを)線香花火がポタリと落ちる (なぜ)好きに火がつく」
里美の指先で触れた本がパタリと倒れた。
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公開:20/08/21 20:25
向井尚樹シリーズ 誰の話でしょう

射谷 友里

射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。

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