空想動物園

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ふと気が付くと、オレは不思議な動物園にいた。園長らしい白髪の老人が「空想動物園にようこそ」とオレを迎え入れる。
目に映るのは奇妙な生物ばかりだ。クレヨンで殴り書きされたトラ。顔ばかりでかくて体がほとんどないゾウ。さらにはカラフルなカラスなど。
「ここは空想動物が集まる動物園さ。子供たちが自由に描いた不思議な動物たちが集まってくる」
だからみんな形が崩れているのか。
「ほらみてくれ、これなんて傑作だろう」
園長の先には、人間よりはるかに大きなニワトリがいる。怪獣のようだが、まったく怖くない。それどころか、子供たちがあつまって、ニワトリと遊んでいる。
「子供はだれとでも友達になれるからな」
園長は歯を見せて笑った。
目覚めると、隣の布団で妻が安らかな寝息を立てていた。ずっと子供が欲しいと言いつづけている妻。オレの反対で、最近はあきらめつつある妻。
オレはそっと、妻の布団に忍び込んだ。
ファンタジー
公開:20/08/21 19:08

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