走る男

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男は走っていた。
電車に乗り遅れそうだったからである。
すると、悪魔がささやいた。
「遅刻しちまえ。辞めたいっていってたじゃないか」
すると、天使がささやいた。
「だめよ。会社には行くべきだわ」
その声をきいてもなお、男は走り続けた。
結局、男は電車に乗り、出社した。
「おお、間に合ったか。なにかあったのか」
同僚がそうきく。
「悪魔にせよ、天使にせよ、行動を促すだけだった。つまり、そういうことだ」
そういう男に、同僚は首をかしげた。
翌日、男は会社を辞め、新しい仕事探しを始めた。
公開:20/08/22 17:29

ふじのん

大学生

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