ピンホールカメラ

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子供の頃に日光写真で遊んだ事を思い出し、工作キットを買ってきた。
暗箱にレンズの代わりに小さな穴を開け、そのピンポールから対象物の姿を感光版に、逆さに投影させる単純な物である。
完成し撮影となると意外に緊張感に襲われた。こんなことは、子供の頃に親のカメラを内緒で使った時依頼だ。
問題は感光紙に印画紙を使う為、フイルムと違い30分以上或いは何時間も掛かり、静物なら兎も角、動くものを被写体に選ぶと大変な事になる。
最初は灯籠等で試して次は自分の自画像を撮ろうと、庭に出た。
カメラを高い脚立の上にガムテープで固定し、自分は椅子に腰掛けて余裕のポーズを取った。しかしシャターを開放したものの、暑さで汗は出るし、蚊が寄ってきては腕や首筋、更には瞼や額に好き放題だ。
動けば失敗作になるから、汗を拭いたり蚊を払う分けにも行かづ静止画状態に、さすが30分が我慢の限界であった。
写真にはお岩さんが映っていた。
ファンタジー
公開:20/08/22 14:58
更新:20/08/22 18:48

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