夏と探偵

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「あー……暑い」
ぼやきながらかき氷を食べる桂月。
もう八月も半ばを過ぎたが、この探偵の彼は今月仕事をしていない、したがって助手の私の給料も危うい、というかゼロだろう。
「桂月さん、選り好みしてないで仕事して下さいよ!」
「動物探しばかりをこの炎天下でし続けろと?熱中症で倒れるよ?」
そこはちゃんと対策して仕事するのがプロだろ!……と握りしめた拳を抑える私。そして今来ている依頼のリストを机に叩きつけた。
さすがにこの怒りを察したのかリストを確認する桂月さん、数枚見て手が止まった。
「ここに行こうか、なかなか良さそうだよ。依頼人に連絡お願い、いちごさん」
やっとかと安堵する、リストを見ると依頼は猫探しだが場所は避暑地の別荘だった。
「涼しく仕事が出来るよ~それに追加で依頼があったりして……」
この人は推理は呼吸をするのと同じだと言う、出来て当然と。
そして予言の様に追加の依頼が舞い込んだ。
その他
公開:20/08/20 16:15
ノベルちゃん三題 桂月、いちご、呼吸

癒月連理( 岩手 )

2020.3.16にこの場所を見つけて、長文を書くのが苦手な私でもショートショートなら挑戦できるかなと思い、投稿を始めました。

このショートショートガーデンで書くことの楽しさを知る事ができました。
自分なりに色々文章を模索していきたいと思います。
作品を読んで気になった事がありましたら、是非コメントをお願いします、厳しいコメントもお待ちしています。

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