ワープチケット

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映画好きのぼくに、パパが誕生日プレゼントとして、ワープチケットというものをくれた。
映画を見ながら、キリトリ線に沿ってこのチケットを切り離すと、映画の世界にワープできるらしい。
ぼくは、大好きなあの刑事映画の世界にワープすることにした。
DVDをセットし、ぼくはすぐにチケットをちぎった。
その瞬間、何度も画面越しに見てきたあの世界にワープした。とてもテンションが上がった。
初めは、刑事さんはやっぱりかっこいいな、などと思っていたが、だんだん、ぼくもこの世界に貢献したいと思うようになった。
ついに、ぼくは知っている犯人を刑事さんに教えてあげた。
すると、すぐに犯人は捕まり、世界に平和が訪れた。
役に立てた! そう思いながら、気づけばぼくはテレビの前に座っていた。
そうだ、もう一度この映画を見てみよう。
再び見ると、刑事が犯人をスムーズに特定する、なんの面白みもない短編映画に様変わりしていた。
ファンタジー
公開:20/08/20 12:09
更新:20/08/20 12:10

日常のソクラテス( 神奈川 )

空想競技コンテスト銅メダル『ピンポンダッシュ選手権』
空想競技コンテスト入賞  『ダメ人間コンテスト』
ベルモニー Presents ショートショートコンテスト入賞 『縁茶』
X (twitter):望月滋斗 (@mochizuki_short)

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