悪魔のオンナ

　イズミは悪魔と繋がっていた。以前、カネに執着する彼女の前に悪魔が現れて、「融資」を提案してきたことがあった。それと引き換えに死後の魂を悪魔にくれれば、満足いくだけ金が手に入るというのだった。
　イズミは若く美しい女だったが、カネに目が無かった。何でもカネで評価する人間だった。
「男は稼いでなんぼ」というのが彼女がよく口にする持論だった。
「結婚をするならカネが絆」とも言った。
　それで彼女は
　彼女は男に貢がせた。そういう男は彼女にいくらでも寄って来た。そんな男たちの中からは、必ず「貢ぐにも金がなくなった」という男が出てくる。それを見て取ると彼女は、切羽詰まった男を悪魔に紹介してやった。男たちのほとんどは悪魔と契約してイズミにカネを使い、そして消えて行った。イズミは自分では悪魔と契約はしていない。
　イズミはそうして男を悪魔に売る小悪魔だった。