恋とビタミン

「足りないのは恋とビタミン！」
へ？とまぬけな返事をする私を置いて、あかりが言った。
「25歳って最強だと思わない？お金もある、時間もある。」
「まあ確かに、次の旅行のこととか考えながら働いてるもんね。」
「だよね！この1,2年をどう過ごすかが大事な気がする。」
遅めのパスタランチを食べ終えた私とあかりは、食後のコーヒーを長々と堪能しながら、来月のベトナム旅行の打ち合わせをしていた。
「あかりは結婚何歳でしたいの？」
「んー、じゃあ28歳にする。それまでにやりたいことをもっと念入りに考えないと。」
「んで、恋とビタミン？」
「そう、恋のドキドキがないと歳とっていくじゃん？あと、ビタミンがないと皮膚が老化する。」
25歳最強説を話しながらも、若さを保つための対策を考えてるのか、とあかりらしい矛盾がおかしくて笑った。

確かに、最強だったなぁ。炭酸レモンを飲むとき、ふと思い出すことがある。