朝顔のグリーンカーテン

お盆も終わった。今年は新型ウィルスが世界中で猛威をふるい、帰省さえままならずにいろいろ心残りだった人も多いだろう。

お盆が明けて翌日、嫁に行った娘から宅配便が届いた。
「もしかしたら間に合わないかもしれないけど、おじいちゃんにお供えしてね。」
おじいちゃんの好物の名物まんじゅう、いつもなら毎年それを持って帰省してくるのだが今年はそうもいかなかったのだ。
座敷に飾ってあった灯籠やら花やらお供え物などをちょうど片付け終わったところで仏壇に供える。
「じゃあこれでお茶でも飲もうかね。」

実はそれを待ってまだ家の周りをウロウロしていたおじいちゃん、満足してさて帰ろうと思ったが、送り火は昨日終わっているし、ナスの牛はとっくに片付けられている。
さぁ困った…と窓の外に目をやった。

「それにしても今年はずいぶん伸びたもんだねえ、ほれ、あんなに高く。」

外でおばあちゃんが空を見上げている。