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到着した警察に教祖を引き渡した。
元信者達からお礼の波が押し寄せたが、どうもこういうのは苦手だ。俺は諺(ことわざ)辞典を出し『逃げるが勝ち』で街へ飛び戻った。
一服しようと、タバコ屋で「いつもの」とお婆ちゃんに声を掛けた。だが俺を見るなり顔をしかめ「売る物はないよ!」とシャッターを下ろしてしまった。
「うわ…マジか…」
仕方なくコンビニに行ったが、自動ドアが開いた瞬間「出てって!」と店員が凄い剣幕で来た。
「参ったな…」
頭を掻いた。嫌われる心当たりがない。
「何かあるな。『天網恢恢疎にして漏らさず』」
上空にクモの巣の様な網目が広がった。一本赤く光っている。
「ビンゴ。原因はこの先か。『飛んで火に入る夏の虫』」
糸を掴み、ロープウェイの要領で滑って行った。
糸はデパートの屋上にいる少女に繋がっていた。
「おーいお嬢ちゃん」
俺は網から飛び降りた。
「いつかバレると思ったけど早かったわね」
元信者達からお礼の波が押し寄せたが、どうもこういうのは苦手だ。俺は諺(ことわざ)辞典を出し『逃げるが勝ち』で街へ飛び戻った。
一服しようと、タバコ屋で「いつもの」とお婆ちゃんに声を掛けた。だが俺を見るなり顔をしかめ「売る物はないよ!」とシャッターを下ろしてしまった。
「うわ…マジか…」
仕方なくコンビニに行ったが、自動ドアが開いた瞬間「出てって!」と店員が凄い剣幕で来た。
「参ったな…」
頭を掻いた。嫌われる心当たりがない。
「何かあるな。『天網恢恢疎にして漏らさず』」
上空にクモの巣の様な網目が広がった。一本赤く光っている。
「ビンゴ。原因はこの先か。『飛んで火に入る夏の虫』」
糸を掴み、ロープウェイの要領で滑って行った。
糸はデパートの屋上にいる少女に繋がっていた。
「おーいお嬢ちゃん」
俺は網から飛び降りた。
「いつかバレると思ったけど早かったわね」
SF
公開:20/08/16 15:38
更新:20/08/16 15:38
更新:20/08/16 15:38
辞典士シリーズ
「30秒後に意外な結末」がテーマの140字ショートショーティスト。
面白ければそれでよし、と思って書く日々。
2020.7.15『影ができるスプレー』を初投稿。以降、約半年で150作品を執筆。
◎2020.11.15『ハロウィンの怪人』急上昇ランキング2位
◎12.05『星を見つけた』急上昇ランキング1位
◎12.19『無視される日本語』急上昇ランキング3位
◎12.25『高給な副業』急上昇ランキング3位
◎2021.2.6『ひねくれもの』急上昇ランキング2位
皆様からの「面白かった」が聞ければ、それ以上の喜びはありません。
Twitterでも活動中!
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