差出人
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彼との同棲を解消し、彼女が引っ越した部屋へ一枚の葉書が届いた。知らない宛名だったが、住所は彼女の部屋で間違いない。
前の住人宛てだろうかと裏面を見てぎょっとした。筆ペンの震えた『逃げても無駄』の文字が背中を滑り落ちていった。
その後も同じような内容の葉書は届いた。ついに『殺してやる。今夜会いに行く』と書かれた葉書が届くと、彼女の心は恐怖で崩壊した。
慌てて部屋の灯りを消し、真っ暗な部屋の隅で膝を抱える。22時を回った頃、靴音が聞こえ、息を止めた。気配が玄関の前で止まる…。
ドンドンドンドンッ!
音はすぐに止んだが、恐怖で一睡もできなかった。
翌日、別れた彼に連絡し、再び同棲を開始させた。もうあんな怖い思いはしなくてすむと思うと、彼と過ごす時間が幸せに感じ、別れた理由も忘れさせた。
「ゴミ捨ててくるよ」
「ありがとう」
優しい彼が手にしたゴミ袋には役目を終えた葉書と筆ペンが入っていた。
前の住人宛てだろうかと裏面を見てぎょっとした。筆ペンの震えた『逃げても無駄』の文字が背中を滑り落ちていった。
その後も同じような内容の葉書は届いた。ついに『殺してやる。今夜会いに行く』と書かれた葉書が届くと、彼女の心は恐怖で崩壊した。
慌てて部屋の灯りを消し、真っ暗な部屋の隅で膝を抱える。22時を回った頃、靴音が聞こえ、息を止めた。気配が玄関の前で止まる…。
ドンドンドンドンッ!
音はすぐに止んだが、恐怖で一睡もできなかった。
翌日、別れた彼に連絡し、再び同棲を開始させた。もうあんな怖い思いはしなくてすむと思うと、彼と過ごす時間が幸せに感じ、別れた理由も忘れさせた。
「ゴミ捨ててくるよ」
「ありがとう」
優しい彼が手にしたゴミ袋には役目を終えた葉書と筆ペンが入っていた。
ミステリー・推理
公開:20/08/16 13:30
ショートショートには不向きな書き方かもしれませんが、こちらで修行させていただきたくお邪魔しました。
よろしくお願いします。
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