2120年・再訪の夏

　倉庫に踏み入ると、見慣れない道具が転がっていた。
　革製の巨大な手袋に、同じく革製のボール。この鉄製の棒は……武器か何かだろうか？右端と左端では、太さが違うようだが……。それに、この四角い白い板はなんだ？ゴム製で、正方形と長方形があるな――おや、こっちには五角形だ。
　歴史と熱狂、それに青春を感じる品の数々。
　本当に、すべて処分していいんだろうか？取り壊す予定の倉庫だから、という理由で片付けを命じられたけれど、本当にいいのか？
　……葛藤なんて、掃除用アンドロイド失格だ。また、「ポンコツだ」と罵声を浴びてしまう。迷うな。迷う必要なんて――

　その時、カキン！と。
　突如、快音が響いた。

　今日も競技場では、??が行われている。放り投げられた???を???で打ち返し、???で捕らえるという競技だ。
　私のスクリーンに、"ERROR"の文字。
　歓声と悲鳴が、聞こえたような気がした。