月光障子

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いつだったかおじいちゃんの家に行った時の話だ。確か小学生くらい。
おじいちゃんの家はとにかく広い。
夜遅い時間、トイレに行くのも一苦労。当時の僕は怖くて怖くて仕方が無かった。暗くて何かが出てきそうな雰囲気があった。
変に肩に力が入った状態でトイレに向かってたのを思い出す。
長い廊下を何度か曲がった先、トイレまでの最後の直線でそれを見た。

障子が薄く発光している。優しい光。綿菓子みたいな柔らかさで足元を照らしている。
不思議とそれまでの恐怖心が吹き飛んで、すぐにトイレを済ませる事ができた。その後もぐっすり眠れて、朝の目覚めも抜群によかった。

次の日の朝、おじいちゃんに訊いてみた。
「ああ、あれか。あれは、月の光を編みこんだ障子なんだよ。だから、優しく光るんだ。気に入ったか?」

僕は今も、夜空を見上げるたびに、あの光の温度を思い出す。
いつかまた遊びに行きたいな、と思っている。
ファンタジー
公開:20/08/16 06:00

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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