樹海公園
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ブランコを揺らしていたスーツ姿の男がこちらに気づく。
「滑り台はさすがにお尻がキツいわ」
ピンク色のワンピースの女が裸足で歩いてくる。
「あの、ここ樹海ですよね」
二人は顔を見合わせて意味深な笑みを浮かべる。
「そうよ、知ってて来たんでしょ?」
「噂は本当だったんですね」
「都市伝説ってやつ?」
女性がうふふと笑う。
「あの、この女性が来ませんでしたか」
男性がブランコに乗って靴をぽーんと飛ばす。
「幼なじみなんですけど、失恋してひどく落ち込んで、まさかとは思うんですけど」
「ふうん、好きだったの? その人のこと」
女性が探るような目で見た。
「どうでしょう、一緒に育ってきた兄妹みたいなので」
「生きてるよ、彼女」
男が靴を拾う。
「僕の靴占い良く当たるから」
靴の表には『生きてる』裏には『御愁傷様』と書いてあった。
「彼女、大事にな」
言われた通り戻る背中に二人が手を振った。
「滑り台はさすがにお尻がキツいわ」
ピンク色のワンピースの女が裸足で歩いてくる。
「あの、ここ樹海ですよね」
二人は顔を見合わせて意味深な笑みを浮かべる。
「そうよ、知ってて来たんでしょ?」
「噂は本当だったんですね」
「都市伝説ってやつ?」
女性がうふふと笑う。
「あの、この女性が来ませんでしたか」
男性がブランコに乗って靴をぽーんと飛ばす。
「幼なじみなんですけど、失恋してひどく落ち込んで、まさかとは思うんですけど」
「ふうん、好きだったの? その人のこと」
女性が探るような目で見た。
「どうでしょう、一緒に育ってきた兄妹みたいなので」
「生きてるよ、彼女」
男が靴を拾う。
「僕の靴占い良く当たるから」
靴の表には『生きてる』裏には『御愁傷様』と書いてあった。
「彼女、大事にな」
言われた通り戻る背中に二人が手を振った。
その他
公開:20/08/16 22:39
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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