秘密の背中

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今日は町の銭湯にパパと行った。銭湯は大好き。賑やかだし、友達にも会えるし、パパと一緒に湯船にも入っても狭くない。
「パパ!背中のお肉すごーい」
ぼくのパパはちょっと太ってる。まるんっとしていて、クッションみたいで気持ちがいい。パパは、そうかい?って笑ってた。
「そうだよ、ママはこの辺、骨でてるもん」
グイグイと肩の付け根を押すと、「うーん、そこそこ」なんてパパが言うからマッサージしてあげた。
こりっと、何か硬い感触があった。ボタンだ。僕は不思議に思って、それを押した。
ウィーン、と付け根が両側に広がって、ジェットみたいな三角の羽になった。
「おおっ、背中に羽が生えたみたいに軽くなったよ」
僕は少し戸惑って、もう一度ボタンを押した。羽は肩の付け根に収まった。
「ご褒美あげような」
振り向いたパパの顔が、ロボだった。
「あ…顔も揉んであげる」
「ありがとう!」
これから毎日、揉んであげよう…。
その他
公開:20/08/16 22:23
肩甲骨剥がし

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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