また、自分の足で

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胸のどきどきが止まらない。
緊張よりも、わくわくのほうが上だ。
また、こんな気持ちになれるなんて思わなかった。

周りには続々と選手が現れる。
世界中から集まっているらしい。
俺にとっては、ライバルというより仲間だ。

終わりの見えない長い白線に選手が集まる。
千人…一万人…いや、それ以上いるかもしれない。

でも、ここは現実じゃない。
仮想空間という場所らしい。
現実と思えるほど、よく出来ている。

現実の俺は、事故で足に障害が残って立つことも出来なくなった。
ここには、何かの理由があって自分の足で立つことが出来なくなった人達が参加していると聞いている。

たとえこれが現実じゃなくても、また自分の足で立つことが出来るなんて、こんなに嬉しいことはない。

「よーい、ドン!」

スタートの合図と共に、一歩前へ踏み出す。
ゴールを目指し、仲間達と走り出した。
ファンタジー
公開:20/08/16 21:56
空想競技

たーくん。( 関西 )

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